2018年11月22日木曜日

次の本が出来るまで その111

也有の老人教訓



▶人目見苦しきを知るべし

皺はよる ふすべは出来る 背は屈む あたまははげる 毛は白うなる


▶人の数ならぬを知るべし

手は震ふ 足はよろつく 歯はぬける 耳は聞えず 目はうとうなる


▶人のむさがるを知るべし

よどたらす 目汁はたらす はなたらす とりはずしては 小便ももる


▶人のかたはら痛く聞きにくきもの也

又しても 同じ咄に 子ふいてう(吹聴)達者じまんに 若きしゃれごと


▶かかる身の上をもわきまへず

くどうなる 気短になる 愚痴になる 思ひつくこと 皆ふるうなる


聞きたがる 死にともながる さびしがる 出交りたがる 世話やきたがる


                         狂歌集「行々子」より


横井也有(よこいやゆう)江戸時代中期の俳人。狂歌、和歌、書画、平家琵琶、
謡曲、武道などにも通暁していた。俳文集「鶉衣」は有名。


※てっきり自分の事だと思った。