2016年8月18日木曜日

次の本が出来るまで その25

和泉式部と小式部内侍


ある日、和泉式部と娘の小式部は庭を眺めておしゃべりをしていました。
恋の遍歴を重ねてきた和泉式部は
「あーあ、面白いこともないし、いい男もいないし、なんか生きているのがいやになるわ」
こう言ってそばにあった筆と紙を取上げ一首をしたためました。
「お母さん、見せて」
隣に座って猫を撫でていた小式部は、母のほうに向き直って言いました。
母の歌を読んだ小式部はいたずらっぽく笑ながらさらさらと筆を走らせました。
(かどうかはわかりません)


嵯峨本フォントを使ってみました。