2020年10月2日金曜日

次の本ができるまで その176

つくり直し(2)


前回に続いて2冊つくり直しました。


老人 ライネル・マリア・リルケ 森鴎外訳 2015年5月8日掲載
やりなおしたにもかかわらず物足りない出来です。表紙はスミ1色だとさみしいのでクレーの絵を貼り付けました。



てがみ・二十一のことば アントン・チェーホフ 2015年6月29日掲載
前回も2冊まとめて函にいれていましたが、ゆるくて傾けると滑って落ちてくるのが不満でした。本体は前につくったものを生かして版面を調整し、できるだけ小さくつくりなおしました。多少不細工ですが函にはきちんといい具合に収まりました。めでたしめでたし。

※一番気になるのは本の開き具合ですが、印刷の濃淡、字面の傾きなど言い出せばきりがありません。そんななか、このごろやっと紙を重ねて垂直に切れるようになりました。

2020年9月28日月曜日

次の本ができるまで その175

自殺倶楽部


露国には自殺倶楽部が出来ていると噂せられる。会員はいつでも自殺することを厭(いと)わぬという約束をしている。集会の時に虎と猟人と言う遊びがある。男女を一組にして籤引(くじびき)で虎と猟人とにする。室内を暗くする。虎になったものは衿(えり)に鈴を付ける。猟人になったものは拳銃を持つ。他の会員は危険のない処に避けて見物する。そこで虎が逃げまわる。鈴の音をあてに猟人が追いまわって射撃をする。六発打って中(あた)らなければ、虎と猟人とが入れかわる。一人死なねば止めぬのである。又シャンパンに二十本に一本の割でモルヒネを沢山入れて、会の席で飲む。先ずこんな風にして遊びながら自殺するというのである。

                             「椋鳥通信」より


※遊びにしては怖すぎる。よいこはまねをしないでね。