古本市
知恩寺の青空古本市に行った。
本棚を眺めていると、5歳ぐらいの女の子とお父さんが来た。
女の子が「わたし、これがいい」と重そうな本を棚から取り出した。
私はちらっと表紙を見た。
『ブッダのことば 中村元』とあった。
お父さんが「それ、すこし難しくないかい」と心配そうに言うと
女の子は「ううん、わたし、ひらがな読めるから」とページを開いて
「に、か、な、つ、た、い」と声を出して読み始めた。
一字づつだが、たしかにひらがなは読めるらしい。
しばらく見ていると、もう読むのに飽きたのか
「やっぱり、これいらない」と父親に本を押し付けて
ひらひらとどこかへ駆けていった。
※チェーホフの全集を何冊か買う。読まないくせに。