2020年4月13日月曜日

次の本が出来るまで その160

クローバー


5歳になる女の子が、草花や石ころを並べてお店やさんごっこに忙しい。
わたしがお客になって近づくと女の子は
「クローバー見せて、と言って」と言った。
わたしはちょっといじわるをして
「いいえ、そちらの石を見せてください」と言うと
「違う!! クローバーを見せて、と言って!」
と少しオカンムリである。
しかたなく「じゃ、クローバーを見せてください」
と言うと、彼女は得意そうに笑いながら
「クローバーは売り切れました!」と言う。
わたしは「そこにあるのを売ってください」
と並べたクローバーを指さすと、
彼女はそれを自分のうしろに隠して
「ありません!」と言った。

※ただそれだけの話ですが、なんか面白かったので書き留めておきました。