2020年11月6日金曜日

次の本ができるまで その179

生と死と


死生に関する警句をいくつか




人生は一種の死病である 

ルイ・ニュセラ



ゆりかごから柩までは1メートルしか離れていない 

不詳



彼が自分の墓に刻んで貰うのを《見たがった》墓碑銘

《助けてくれ!》 

ジャック・スタンバーグ



家番の戸口から盗んできた次のような張り札が、墓の上にぶらさげてあった。

─《すぐ帰ります》 

不詳



遺書

余、ヴォランスキーは、死期の近いことを知って、この遺書を認める。それは余の家族に対する余の評価が、余の彼等に遺贈するものの少なさに比例することを知って欲しいためである。

余が最愛の妻に対しては、庭の奥の小屋の床下にかくしてあるポルノ写真をおくりたい。彼女と嘗て一度も共にしたことのないあらゆる痴態について彼女に感謝するために。

弟のルイに対しては電気鋸をおくりたい。余のため嘗て一挙手一投足の労も取ったことのない彼が、この鋸で片腕を切り落とすことを願いながら。 

ジョルジュ・ヴォランスキー



アメリカで、数十発の弾丸を撃ちこまれて暗殺された黒人の死体を見て、人種差別主義者の保安官が宣言した。

─《なんというむごい自殺だろう!》 

不詳



※世の中は市の仮屋のひとさわぎ誰も残らぬ夕暮れの空