2020年6月18日木曜日

次の本ができるまで その166

マーク・トウェインの冗句 joke


 わたしが14歳のとき、父は何にも知らないまったくの愚か者で、そばにいるのさえ恥ずかしくなるくらいだった。ところが21歳になったとき、わたしはびっくりした。おやじはなんて多くの知識をこの7年間に身につけたのだろうかと。

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 客に行った先で、その家の女主人から、「歌はお歌いになりませんの」と訊かれたトウェイン、「わたしの歌をおききになった人は、みなさん、わたしは歌わないと言っております。」

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 わたしは、そのフランス人にフランス語で話した。彼は、わたしの言うことがわからないと言った。そこで、わたしはもういちど繰りかえした。ところが彼にはまだわからなかった。どうやら相手はまるっきり、フランス語がダメらしかった。

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 マーク・トウェインは、自分は何事をするにも、かならず朝食がすんでからやるんだ、と自慢した。どうすればそんなことができるか、ときかれて、
「朝食の前にしなければならないことがあったら、かならず、早く起きて、まず朝食をすますのさ」

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 目を覚ましたら、時計が4時をうつのが聞こえた。わたしは思った。──どうやら長いこと眠っていたらしい。いったい何時に寝たんだろう。
 そして、わたしは起きあがると、明かりをつけ、時計を見て確かめようとした。


※『ちょっと面白い話』『また・ちょっと面白い話』(旺文社文庫)より抜粋しました。第1作『マーク・トウェインの箴言集』もここから選んだものです。