ヴァレリー一家言
好みは千の嫌悪から成る。
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彼が為した馬鹿らしいことと、彼が為さなかったバカらしいことが、
人間の後悔を半分づつ引受けている。
失ったものよりも、失わなかったもののほうが余計に惜しまれることがしばしばある。
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うんと子供が生まれるだろう、まなざしで妊ませることが出来たら。
うんと死人が出るだろう、まなざしで殺すことができたら。
往来は、屍体と妊婦でいっぱいになるはずだ。
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生は死より、ほんの僅かに年上だ。
ポール・ヴァレリー Paul-Ambroise Valéry 1871─1945
フランスの詩人・思想家・批評家。多岐にわたる旺盛な著作活動によってフランス第三共和政を代表する知性と称される。長編詩『若きパルク』、評論集『バリエテ』『芸術論集』など多数。
フランスの詩人・思想家・批評家。多岐にわたる旺盛な著作活動によってフランス第三共和政を代表する知性と称される。長編詩『若きパルク』、評論集『バリエテ』『芸術論集』など多数。