遺書
私、ヴォランスキーは、死期の近いことを知って、この遺書を認める。
それは私の家族に対する私の評価が、私の彼等に遺贈するものの少なさに
比例することを知って欲しいためである。
私の最愛の妻に対しては、庭の奥の小屋の床下にかくしてある
ポルノ写真をおくりたい。彼女と嘗て一度も共にしたことのない
あらゆる痴態について彼女に感謝するために。
弟のルイに対しては電気ノコギリをおくりたい。
余のため嘗て一挙手一投足の労も取ったことのない彼が、
このノコギリで片腕を切り落とすことを願いながら。
※ジョルジュ・ヴォランスキー(フランス人・風刺漫画家)。「次の本ができるまで その179」より