2017年2月23日木曜日
2017年2月14日火曜日
フランツ・カフカ『あるじの気がかり』
中島敦『狼疾記』
「今彼が読んでいるのは、フランツ・カフカといふ男の「窖(あなぐら)」といふ小説である。小説とはいつたが、しかし、何といふ奇妙な小説であらう。(中略)此の作者は何時もこんな奇体な小説ばかり書く。読んで行くうちに、夢の中で正体の分らないもののために脅されてゐるやうな気持がどうしても付纏つてくるのである」
彼は随分早い時期にカフカを読んでいたようです。
だからというわけでもありませんが再びカフカの作品をつくることにしました。
『あるじの気がかり』
あるじが気になるのは「オドラデク」です。「オドラデク」は見たところ、星形の糸巻のように見えます。だが、それは単に糸巻であるだけではなく、星形のまんなかから小さな一本の棒が突き出していて、この小さな棒と直角にもう一本の棒がついています。……こんなものが時々家に来るというお話です。
※ボール紙にかえて真鍮板を使用しました。
2017年2月6日月曜日
2017年2月2日木曜日
次の本が出来るまで その47
マーク・トウェイン
* * *
罪はその言葉ではない
心だ
その言葉のうらにある心だ
* * *
マーク・トウェイン(Mark Twain, 1835年11月30日 ─ 1910年4月21日)
アメリカ合衆国の作家、小説家。彼がいま生きていたらどんなジョークを言うだろう。
2017年2月1日水曜日
2017年1月24日火曜日
2017年1月18日水曜日
次の本が出来るまで その44
江戸時代の金持ち
京都の長者番付に、能衆(よいしゅ)、分限者(ぶんげんしゃ)、銀持(かねもち)と三つの区別がある。俗に能衆というのは、代々家職もなく、世間に知られた茶の湯の道具を持ちつたえて、雪には茶の湯、花には歌学(かがく)と風流に明け暮れ、商売ということを知らない人たちをいうのであろう。また分限というのは、その土地で人も認め、商売はやめずに手代にまかせ、自分は万事に手出しをしない人のことをいうのである。銀持というのは近代の成金で、米でもうけたり、そのほか様々な商品を買置きし、また銀貨しなどもして、自分で帳面など調べる人のことをいう。これはたとえ一万貫目(約八十億円)持っていたとしても、能衆、分限者と付き合うことはできない。
(井原西鶴「諸艶大鑑」より)
※私は能衆でも、分限でも、銀持でもないことをここに明言する。
2017年1月13日金曜日
次の本ができるまで その43
加賀の國に立花北枝(たちばなほくし)という俳人がいた。
北枝は金沢の大火で自分の家が焼けた時、芭蕉に一句を送ったという。
焼けにけりされども花は散すまし
その後運悪く再び火災にあい、この時に『家見舞』という集が作られた。その中に
焼けにけりされども桜さかぬうち
の一句があるという。
2017年1月7日土曜日
2017年1月5日木曜日
ご挨拶をかねて
年明けのご挨拶をかねて年賀状を掲載します。
原文は「義を守ること唐がらしに倣へ」(芭蕉)のあとに「色を思ふこと饂飩(うどん)の如くせよ」(去来)と続きます。どういう意味かはよくわかりません。いやわからなくはないのですがわざわざ説明するのが億劫で…。
2016年12月31日土曜日
新年に
年が改まると気持も変わる。きっと今年は想像もしなかった「いい事」が待っている気がする。根拠は無いが強く感じる。毎年そう思うのだが当たったためしがない。
※前回のトップページの俳句は西山宗因(1605-1682、談林派の祖)でした。今回は前のものを少しアレンジしています。
2016年12月30日金曜日
2016年12月16日金曜日
中島敦『狐憑』
中島敦『狐憑』を作りました。
何か気の利いたコメントを書きたかったのですが、思いつかないのであらすじだけ。
「ネウリ部落のシャクに憑きものがしたといふ評判である。」
平凡な若者だったネウリ部落のシャクは、弟の無惨な死をきっかけに譫言(うわごと)を言うようになりました。村人たちは「憑きもの」がついたシャクの話を聞こうと毎日彼の家に集まってきます。はじめは弟を失った悲しみを語っていた彼でしたが、やがて自分の望んだもの(それは湖を泳ぐ鯉であったり、草原の牝狼であったり)の哀しさや楽しさを語るようになりました。
遠い昔、文字が存在しない村で起こった事件。興味のある方は文庫本を読んでみてください。
2016年12月1日木曜日
次の本が出来るまで その41
七十二候(しちじゅうにこう)
「七十二候」とは、「二十四節季」をさらに約五日ごとに分類し気候の変化や動植物の様子を表現したものです。
12月2日より12月31日までを掲載します。
※大雪 次候の虎始交は画家、中村不折氏の作品です。最後に製作者のリストを
掲載しておきます。いつか本にできればと思っています。
しかし印をひとつずつ押すのは大変でしょうね。でも楽しそう。
掲載しておきます。いつか本にできればと思っています。
しかし印をひとつずつ押すのは大変でしょうね。でも楽しそう。
2016年11月28日月曜日
次の本が出来るまで その40
芭蕉 座右之銘
人の短を云ふこと勿れ。
己れが長を説くこと勿れ。
銘に曰く
もの云へば脣寒し秋の風
芭蕉が旅の心得を説いた「行脚の掟」という一文がある。
座右之銘と言われている言葉もこの中にある。少し長いが引用したい。
2016年11月17日木曜日
2016年11月9日水曜日
2016年11月7日月曜日
石川啄木『第十八号室より』
石川啄木『第十八号室より』を作りました。
後半は『悲しき玩具』より何首かを抜粋して掲載しています。
いつからか腹が膨らんできた啄木が病院に行ったところ慢性腹膜炎と診断されます。痛みもないので初めは医者の診断を疑っていた啄木も、腹に挿したゴムのチューブから黄褐色の液体が流れ出るのを見て入院を決心します。
『第十八号室より』はそのころの作品です。
その後も身体が回復せず、家庭内の問題や家族の死など不幸も重なって、病気と困窮の中、結核により26歳の短い生涯を閉じました。
2016年11月1日火曜日
次の本ができるまで その37
時雨(しぐれ)
いつまでと世の浮雲はつれなくて晴れるも老いが身はしぐるらん
萩原宗固翁
七十二候(しちじゅうにこう)
「七十二候」とは、「二十四節季」をさらに約五日ごとに分類し気候の変化や動植物の様子を短い言葉で表現したものです。今回は11月2日より21日までを掲載します。
2016年10月24日月曜日
次の本が出来るまで その36
芭蕉の附合集からひとつ紹介します。
「やさしき色に咲ける撫子」という句があります。
これに自分の句を付けてひとつの情景を表現するのが附合※です。
芭蕉はこれに下のような句をつけました。その場で思いついたのか、使うため用意していたのかは分かりませんが、このような艶っぽい句を作る芭蕉はやはりただ者ではありません。
※連歌,俳諧の用語。 (1) 連歌、俳諧で、五・七・五の長句に対して七・七の短句を、または七・七の短句に対して五・七・五の長句を付け合せること。またはそのようにして付け合された二句一組のこと。(ブリタニカ国際大百科事典)
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