「Lies in Scarlet」の言
Arthur Halliwell Donovan
もしプラトニツク・ラヴと云ふものがあつたら、自分は必人間より馬に惚れたのに相違ない。
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幸福とは幸福を問題にしない時を云ふ。
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藝術の境に未成品はない。あればそれは下等な完成品である。
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不幸にして自分は、眞面目を標榜する程不眞面目にはなり得ない。
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如何にして年をとらうか──これが人間に與へられた最大の問題である。
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運命は自由意志の中にある。
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彈丸に中つて死ぬのと、餓死するのと、どちらが好いか。それはまだよく考へた上でないと、きめられない。
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戰ひたくないと思つたら、やはり戰ふ外はない。たとひそれが敵國に對してでなくとも。
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最大の奇蹟は言語である。
羽賀宅阿譯
「芥川龍之介全集第九巻」未定稿・断片より
※ご存知の方も多いだろうが、これは芥川作のパロディでタイトルの「Lies in Scarlet」は「真っ赤な嘘」という意味らしい。作者のAuthur 何とかももちろん空想の人物で、訳者の羽賀宅阿は逆から読むとあくたがわになる。
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