2015年6月29日月曜日

チェーホフ『てがみ』『二十一のことば』



毎回途中でやめた本のことばかりでしたが、今回は久しぶりに出来上がった本を紹介します。



チェーホフ作、鈴木三重吉訳の『手紙』。形式は童話です。
母を亡くしたユウコフ少年は靴屋の奉公人として住込みで働いています。まだ9歳の彼は毎日がつらいことばかりでした。クリスマスの夜、一人で留守番をしていたユウコフは、母が元気だったころ親切にしてくれたマカリッチさんに手紙を書きはじめました……。語りは童話ですが夢や希望を与えるお話ではありません。


『二十一のことば』は『チェーホフの手帖』(神西清訳・創元社)から適当に選んだものです。優しくもなく明るくもなく突き放すような言葉が並んでいます。版画家佐久間嘉明氏の銅版画を付けた特装本も作りました。


佐久間嘉明 略歴
1947年名古屋市生まれ/1970年京都市立芸術大学西洋画科卒業/1972年同大学西洋画専攻科修了/1992年渡欧/現在:日本版画協会会員/京都造形芸術大学通信教育部・名古屋学芸大学短期大学部非常勤講師/版画京都展実行委員会委員