2022年1月26日水曜日

次の本が出来るまで その226

ニーチェの言葉(1)


ニーチェ全集(昭和49年、理想社)第五巻『人間的、あまりに人間的Ⅰ』より抜粋しました。不定期に掲載します。


病人の忠告者──

 病人に忠告をあたえる者は、それが受け入れられてもはねつけられても、相手に対する或る優越感を覚える。それゆえに敏感で誇りの高い病人は忠告者を自分の病気以上にもっと憎むのである。


待たせること──

 人々を憤慨させて邪悪な考えを思いつかせる確かな手段は、彼らを長く待たせることである。これは道徳的ではない。

自殺者の身内の者──

 自殺者の身内の者は、彼が自分たちの評判を顧慮して生きていてくれなかったことを遺憾とする。

証人が居合わせること──

 人は水に落ちた人間の後から二倍もいさんでとび込む、そうする勇気のない人々が居合わせている場合には。

一種の嫉妬──

 母親たちは自分の息子の友人たちが特別の成功をすると、すぐ彼らをねたむ。通常母親というものは息子そのものよりも息子のなかにある自己を愛しているのである。

さまざまな溜め息──

 幾人かの男たちは彼らの妻の駈け落ちを歎いた、たいていの男たちはだれも彼らから妻を奪い去ろうとしてくれなかったことを歎いた。


※次の本にと思っていましたが、うまく纏まりそうもないのでこちらに掲載します。