2016年2月10日水曜日

志賀直哉氏のノートより


政治家というものが割に重く見られ、

従って当人も自分が偉いかの如くに思う傾向がある。

此錯覚は何から起こるかといえば

政治或は政権というものには他に命令する機能がある、

政治家殊に大臣などになると

主人になったような気になるらしい、

然し裸の一人間として見る時に

多くは下らぬ奴の寄合いである。

今の政治家という人種、

僅かな例外を除けば下劣極まる人間の集団に違いない。

只或る技術が多少あるだけのもの、

今直ぐ我々に政治をやれといわれて困るのは

その技術が我等にないからに過ぎない。


(昭和九年一月二十二日)

──政治家は昔から何も変わっていないようだ。あの女性議員も、この男性議員も。