2021年11月4日木曜日

次の本が出来るまで その216

 古本市


知恩寺の青空古本市に行った。

本棚を眺めていると、5歳ぐらいの女の子とお父さんが来た。

女の子が「わたし、これがいい」と重そうな本を棚から取り出した。

私はちらっと表紙を見た。

『ブッダのことば 中村元』とあった。

お父さんが「それ、すこし難しくないかい」と心配そうに言うと

女の子は「ううん、わたし、ひらがな読めるから」とページを開いて

「に、か、な、つ、た、い」と声を出して読み始めた。

一字づつだが、たしかにひらがなは読めるらしい。

しばらく見ていると、もう読むのに飽きたのか

「やっぱり、これいらない」と父親に本を押し付けて

ひらひらとどこかへ駆けていった。


※チェーホフの全集を何冊か買う。読まないくせに。