2016年7月16日土曜日

小川未明『橋の上』

小川未明『橋の上』をつくりました。
小川未明は明治15年生まれの小説家、児童文学作家です。坪内逍遥に師事して、明治40年に発表した短編集「愁人」で小説家としてデビューしました。その後童話に専念し、雑誌「赤い鳥」などに多くの作品を発表、「日本のアンデルセン」「児童文学の父」と呼ばれています。

「橋の上」は『青白む都会』(春陽堂、1918年)に掲載されている短編です。
家へ帰る途中、機嫌の悪い幼子が妻の背中で泣き止みません。すれ違う人たちが眉をひそめるなか、夫婦は子どもの気をそらそうと橋の上へ連れていくのですが……。人の心に生まれる「魔」の瞬間を描いた小品です。本文の印刷はちょっと頑張って2色刷りにしました。