2015年1月13日火曜日

『芥川龍之介の遺書』



『芥川龍之介の遺書』です。
「僕等人間は一事件の為に容易に自殺などするものではない。僕は過去の総決算の為に自殺するのである。……」家族に宛てた芥川の遺書はこんな文章から始まります。そして秀しげ子との関係を告白しています。もちろん自殺の原因はそれだけではありませんが、大きな要因となったことは事実でしょう。天才と言われた稀代の小説家がもう十年生きていたらどんな作品を書いただろうと考えると残念でなりません。

『マーク・トウェインの箴言集』




マーク・トウェインは今から180年ほど前に生れたアメリカの作家です。代表作『トムソーヤの冒険』の作者として世界中にその名を知られる人物です。わたくしは正直彼の小説は余り読んでいません。本棚に本があるのでずっと昔読んだかもしれませんがまったく覚えていません。その作家の作品を最初に選んだのは、彼のウイットに富んだ言い回しが頭に残っていて、いつか1冊にまとめたいと思っていたからです。
一般的に格言や箴言はどこか説教くさく偉そうなものですが、彼の言葉にはまったくそんな感じがなくユーモアを愛したトウェインの人柄がよく分かります。本の帯にも書きましたが、人生の深刻な問題をさらりと言ってのけるトウェインの言葉は疲れた心によく効きます。本のタイトルは『箴言集』としましたが、『警句集』または『寸言集』としたほうがよかったかも知れません。