2015年9月11日金曜日

次の本ができるまで その11


前回掲載した「襤褸(ぼろ)」の残りを載せておきます。写真は褞袍(どてら)でしょうか。もとの生地が分からないほど修理してあります。たぶんそうしてでもこれを着る必要があったのでしょう。一針一針に込められた思いがひしひしと伝わってきます。「芸術」とは対極の、生きていくための地味な仕事ですが、じっと見ているとおごそかな気持ちになるのは私だけでしょうか。


正面 おもて
正面 うら


背面 おもて
背面 うら
風呂敷


※襤褸の美しさを教えて頂いた額田晃作さまに心より敬意を表します。

2015年9月7日月曜日

新聞投稿欄から

先日新聞の投稿欄に掲載されていた文章を紹介します。
投稿主は小学校高学年の女の子で、母親の出産を前にその喜びを綴ったものです。

 私のお母さんのおなかには9月に生まれる予定の赤ちゃんがいます。とても楽しみです。楽しみで、楽しみで、9月になると爆発しているかもしれません。
 爆発するかもしれない理由を説明します。一つ目は、将来の夢が保育士だからです。積極的に赤ちゃんや小さい子と関わっていくと、保育士になるための力がついてきます。赤ちゃんや小さい子の世話をできるだけ多くするとよいと思います。二つ目の理由は、赤ちゃんはとてもかわいいからです。泣いたり笑ったり、気分によって表情がかわります。くすぐったり遊んだりしてあげると、笑顔になります。それがとてもかわいいのです。
 赤ちゃんは全然かわいくないという人もいるかもしれません。でも、大切な一つの命です。いっしょに遊んでみれば、「あっ、かわいいな」と思えるかもしれません。

彼女が母の出産を指折り数えて待っているようすが目に浮かぶようです。とくに「楽しみで、楽しみで、9月になると爆発している」という表現が新鮮で、書きとどめておきました。もう赤ちゃんはうまれたのでしょうか。ひょっとすると一日中赤ちゃんのそばで世話をしているかもしれませんね。