中島敦『狼疾記』
「今彼が読んでいるのは、フランツ・カフカといふ男の「窖(あなぐら)」といふ小説である。小説とはいつたが、しかし、何といふ奇妙な小説であらう。(中略)此の作者は何時もこんな奇体な小説ばかり書く。読んで行くうちに、夢の中で正体の分らないもののために脅されてゐるやうな気持がどうしても付纏つてくるのである」
彼は随分早い時期にカフカを読んでいたようです。
だからというわけでもありませんが再びカフカの作品をつくることにしました。
『あるじの気がかり』
あるじが気になるのは「オドラデク」です。「オドラデク」は見たところ、星形の糸巻のように見えます。だが、それは単に糸巻であるだけではなく、星形のまんなかから小さな一本の棒が突き出していて、この小さな棒と直角にもう一本の棒がついています。……こんなものが時々家に来るというお話です。
※ボール紙にかえて真鍮板を使用しました。