本屋さんにはない昔の作家の埋もれた作品や、気に入った言葉を集めたものを 手キン(アナログの印刷機)で印刷して小さな本を作っています。
義理で参加した同郷の親睦会には浪曲師の舞台が設けられていた。鷗外は浪花節が嫌いだった。我慢して聞いていたが徐々にいらいらがつのってくる。終わって拍手しているのを見た芸妓が「面白かったでしょう」と話しかけてきた。鷗外は自分が浪曲好きの人間だと思われたかもしれないと、さらに気持が落ち込む……。