2020年8月21日金曜日

次の本ができるまで その171

ジェームズ・マクニール・ホイッスラー


画家のホイッスラーが、こんな風に断言している──
「作品の制作のさいに使われたさまざまな手段の痕跡が、いっさい消滅したとき、その絵は完成したのだ。芸術にあっては、仕事に熱中することは美徳などというものではなく、欠くべからざる必要なのだ。制作のさいの何らかの痕跡がまだ残っているかぎり、それは努力の不足を立証するものにほかならない。ただ努力だけが、努力の痕跡を消しうるのである」。

「ノクターン:ソレント」1866

「灰色と黒のアレンジメント No.1」1871

※努力だけが、努力の痕跡を消しうるという言葉に惹かれて。

2020年8月16日日曜日

散文詩集「宿命」萩原朔太郎

散文詩集『宿命』 萩原朔太郎


今回は萩原朔太郎の散文詩集『宿命』より「宿酔の朝に」「田舎の時計」「貸家札」「神々の生活」「自殺の恐ろしさ」「戦場での幻想」の六篇を収録しました。

「散文詩」とは文字通り「散文」の形式をかりて表現された詩のことですが、規則的な詩法に基づいた「韻文」に対してその定義はあいまいです。詩的精神をもって書かれた短い文章、ということらしいです。

 

※扉の紙質がちょっと違うような気がしています。


※ホントどうでもいいことですが、前回の「指輪」の表紙が気に入らず、タイトル文字を縦書に修正しました。