幸福論 アラン
ぼくの考えをいうと、未来は考えないで、目の前のことだけを見ている方が好きだ。
事物の本性のなかに未来を読もうともしない。
誰の身に起ころうと重要な出来事はすべて予測を超えていて、予見できないものだ。
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憂鬱症の人たちはどんな考えに対しても悲しい理由をちゃんと見つけてしまう。何を言われても傷ついてしまう。彼らを憐れめば、侮辱されたと思い、何も文句を言われないと、自分はひとりぼっちなのだと思いこむ。彼らはグルメのように、悲しみの味を賞味している。
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ぼくがもっともよく慰められる考えは、混乱が引き起こされているほとんどすべての原因は、自分自身を考えすぎるということだ。
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われわれの社会は、求めようとしない者には何ひとつ与えない。
使いたいと思っている者にはお金はたまらない。当然のことだ。なぜなら、彼の望んでいるのはお金を使うことであって、儲けることではないから。
※昨夜は大きな月を見た。美味しい筑前煮を食べた。少しギターが弾けるようになった。ささやかな喜び。