2025年3月2日日曜日

ケイト・ショパン『1時間の物語』

 『1時間の物語』ケイト・ショパン

ケイト・ショパン(1850-1904)はアメリカ、セントルイス生まれの女性作家です。 彼女が育った19世紀のアメリカは、いまよりずっと女性の立場が弱く、 結婚するまでは父親、結婚後は夫の所有物として扱われ、 子供を育てるのが唯一の存在意義であった時代でした。

『1時間の物語』はそんな時代の物語です。 心臓の病気で寝込んでいる妻に夫の訃報が伝えられると、妻はショックのあまり自分の部屋に鍵をかけ閉じこもります。 周囲は病気が悪化するのを心配し、なんとか部屋から連れ出そうとしますが……


※1893年に「ヴォーグ」に掲載された本作が、現代のフェミニスト文学運動の始まりであると言われています。
(ウィキペディア)

2025年2月10日月曜日

次の本ができるまで その321

 どこかで聞いた言葉


人 間

この世界は人間のいないときに始まり、人間がいなくなって終わる。(レヴィ=ストロール)



時 間

一日一日はたぶん時計には公平なのだろうが、人間には公平ではない。(プルースト)



現 世

現世は悲惨の谷間、不満の井戸、悲しみのスープ、不運のサラダボール。(ゴビノー)



悪 意

個人的な利益と結びつかない悪意は性格からくることが多い。(バルザック)



幸 福

我々人間の願いは幸福に生きることであって、幸福に死ぬことではない。(モンテーニュ)




この奇妙な絵は、ヤーコブ・コルネリスゾーン・ファン・オーストザーネン[1470-1533]の「Laughing Fool」。

年賀状に使おうかなと言ったら妻から叱られました。

2025年1月24日金曜日

宮武外骨『我が家の猫いらず騒動』

 『我が家の猫いらず騒動』宮武外骨


政治家や官僚など権力の腐敗を追及した反骨のジャーナリスト宮竹外骨は、自著『自家性的犠牲史』で、明治十八年より昭和三年までの四十三年間に十六人の妾がいたことを告白しています。彼が言うには、蓄妾には『娯楽的』と『実用的』の二種があり、彼の場合は一夫一婦制の実用を兼ねた娯楽で、俗に言う『炊き転び』であり『小間ざわり』であり『カリ(仮)の妻』であると説明しています。今回の作品『我が家の猫いらず騒動』は昭和三年、外骨が六十二歳、妻の小清水マチが三十二歳のときに発覚した浮気騒動の顛末記です。


※宮武外骨(みやたけ がいこつ)=とぼねとも言う。香川県生れ。1867(慶應3)年-1955(昭和30)年。