2020年9月28日月曜日

次の本ができるまで その175

自殺倶楽部


露国には自殺倶楽部が出来ていると噂せられる。会員はいつでも自殺することを厭(いと)わぬという約束をしている。集会の時に虎と猟人と言う遊びがある。男女を一組にして籤引(くじびき)で虎と猟人とにする。室内を暗くする。虎になったものは衿(えり)に鈴を付ける。猟人になったものは拳銃を持つ。他の会員は危険のない処に避けて見物する。そこで虎が逃げまわる。鈴の音をあてに猟人が追いまわって射撃をする。六発打って中(あた)らなければ、虎と猟人とが入れかわる。一人死なねば止めぬのである。又シャンパンに二十本に一本の割でモルヒネを沢山入れて、会の席で飲む。先ずこんな風にして遊びながら自殺するというのである。

                             「椋鳥通信」より


※遊びにしては怖すぎる。よいこはまねをしないでね。

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