植物園にて
開園直後のまだ人もまばらな時間、ベンチに坐っていると、すこし離れたベンチに小さな兄弟が駆けてきて坐った。
後ろから父親らしい人があらわれ、子供たちの間に坐り、リュックから水筒を出して二人に手渡したあと、ちいさな本を手にとって、ゆっくり読み始めた。
読む約束していたのだろうか、アンパンマンの絵本らしい。子どもたちは静かに、ときどき何か言葉を発しながら真剣に聞いている。
父親は登場人物の声を器用に使い分け、抑揚をつけた迫真の朗読を続けている。よく通るその声はわたしの座っているところにもはっきり聞えてきた。わたしは幼い兄弟同様、ベンチに坐ってアンパンマンの活躍ぶりをたっぷりと聞かせてもらった。
いい日になりそうだ。
※長い休みをダラダラ過ごしてしまいました。
0 件のコメント:
コメントを投稿