2022年4月8日金曜日

次の本が出来るまで その233

 翻訳いろいろ


次に作ろうと思っているのは古い外国作家の作品です。作る前に内容を話してしまうと作る気がなくなるので、題名は伏せておきます。
調べるといろいろな人が翻訳していました。訳者により言葉の使い方が微妙に違うので、今回はそれらを比較して見たいと思います。


    

「叔母はすぐに降りてまいりますわ、ミスタ・ナトル」
 そう教えてくれたのは、とても落ち着いた雰囲気の齢(よわい)十五の若い娘だった。
「それまで、私で我慢して下さいね」


 束の間の応対とはいえ、フラムトン・ナトルは、この姪御(めいご)さんをちゃんと楽しませねばという思いで、気の利いた話題を探していた。


    


「おばは今参っちゃってるの、ナッテルさん」とても落ち着いた声で15才の少女がそう言った。「だからわたしが相手するので我慢してくれなきゃだめよ」

フラムトン・ナッテルは、会うはずだったおばを無視しすぎないように、しかもその姪をちゃんとほめるような的確な一言を口にしようとしていた。


    


「まもなく伯母も降りてまいりますわ、ナトル様」
ひどく落ち着いた雰囲気の15歳の少女が言った。「それまでわたくしがお相手をつとめさせていただきますわ」

フラムトン・ナトルは、やがて来る伯母さんに対して失礼にあたらないよう、しばらくはこの姪のご機嫌を損ねないために、何か適当なことでも言っておこうと考えていた。

    


「伯母は、もうじきに降りてまいります、ナトル様」落ち着きはらった十五歳くらいの少女が言った。「それまではわたくしのようなもののお相手をしていただかねばなりませんけど」

フラムトン・ナトルは、後から来る伯母と、目の前にいる姪、どちらも軽んじてはいないということを理解してもらえるよう努めなければならなくなった。

    

※掲載に問題があれば削除いたします。

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